2020年1月26日日曜日

《息吹き》と ちょっとマニアックな楽譜の話

2月3日の通奏低音組合 第5回公演《息吹き》に向けて、リハーサルが進んでいます🎶

どの曲も冒頭から、予想のはるか上を飛び超えていく和声進行やフレージング、もう驚きの連続…
ただ「バロックと古典の隙間」と言ってしまってはあまりに表現不足、なんて斬新で面白い時代なんだろう❗️

調性という大きな制約を軽々と解き放つ、クヴァンツの新鮮な感性。
万華鏡のように次々と新しい音型を繰り出して楽しませてくれる、陽気なプラッティ。
イレギュラーという言葉はこの人のために…?!と思わされる、クラインクネヒトの奇想天外さ。

本当にわくわく満載のプログラムになりました😍✨


後半で1曲、ソロを弾きます。
久しぶりのお手合わせ、大バッハの次男 カール・フィリップ・エマヌエル・バッハの、ヴュルテンベルク・ソナタ第5番です。

今回はプログラムのほぼ全てを手稿譜で演奏しますが、このソナタの楽譜、2楽章に、ぜひご紹介したいお気に入りポイントが💛

実はこの楽章、この時代においてはかなり珍しい、変ホ短調(調号6個)という込み入った調性で書かれています。
(正直、鍵盤の古典調律の点ではお手上げ…)


調号を書く順番は本来、五度圏の進行順に決まっていて、変ホ短調だと♭をシ→ミ→ラ→レ→ソ→ドの順に置いていくのですが、写真1枚目を見てください、その順番を無視して上からなだらかに、ミレドシラソと下降しているのです。

そしてこの楽章のモチーフは、半音階。
ため息のような、優しい涙のような、隣り合った音へゆっくりと移っていくモチーフが一貫して流れ続けます。
C.P.E.バッハはこの曲調を、調号の書き方、つまり楽譜デザインにも反映しているのです。


変ホ短調という調性上、曲が展開していくと、より込み入った臨時記号「ダブルフラット」が頻繁に登場します。
これも本来は♭♭と2つ並べて表すのですが、この写真のように、なんとサイズの大小で表現。
ここ大事なところなんだ!と強調して大きく書いてくれたんだなと、ついこちらもより想いを込めて音を出したくなるのです。


現代の出版譜ではどちらも標準表記に直されているので、やはりそこからは読み取れない多くのことを、オリジナルに立ち返ることで発見できる、これが楽しい😋

そんなことを考えて、ニヤニヤしながら練習しています。。
ぜひ聴きにいらしてください❗️

※ 公演前日2/2アウトリーチも、もう少しお席ございますので、こちらもぜひ🎶

2020年1月16日木曜日

カヤジャムデビュー

シンガポールでよく食べられているという、カヤジャムなるものが家に初登場し、たぶん材料のひとつ「パンダン」の香りなのか、独特な異国感に包まれている昼下がりです🌿
ココナッツ美味しいし、ジャム売り場って楽しい✨


先日の合唱団セタガヤ・クォドリベットの第5回演奏会、熱い時間でした!

ほとんどのオケメンバーが創立演奏会からずっと変わらず😊
毎回演奏会の数日前からの合流でも、団の皆さんが心から温かく迎えてくださって、あっという間に家族のような雰囲気になるのは、すごく幸せなこと🌸
この団でいつも感じるのは、本番の第一声の音圧がとにかくすごい!!
長い時間をかけて作り上げてきた音楽、本番にかける意気込み、熱意の詰まった歌声が、ビシバシと背中に浴びせられ、こちらも「よし、絶対に良い本番にしよう!」と発破をかけられるのです。

今回も、(真顔になる難しさの)素晴らしいカンタータを4曲とモテットを1曲、ありがたいなぁ…と思いながらたっぷり弾かせていただきました😌💕


その2日前は、いろいろな演奏会や合唱団などでもう長いお付き合いの、ソプラノ清水梢さんの生徒さん&指導グループによるコンサート、珍しくピアノで今年の本番がスタート🎶

バロックから現代まで、時代も国も様々な、たくさんの魅力的な曲を個性豊かな歌い手さんたち&梢さんと演奏できて、会場最寄りの馬車道駅や横浜の古い街並みも素敵で、とっても楽しい一日でした😍

  

 * * *

🌱 2/3 通奏低音組合 第5回公演「息吹き」まであと半月☆
前日のアウトリーチと共に、まだまだご予約受付中です❗️

2020年1月9日木曜日

あけましておめでとうございます🎍

今年もよろしくお願いします🎶
新たな一年、またいろいろと素敵なことがありますように😊

年末ぎりぎりに思い立って行き先を決めた旅、年越しは伊豆七島の入り口、大島で過ごしました。
記録も兼ねての旅行記、よろしければお付き合いください🐾


よく晴れた大晦日、竹芝桟橋からジェット船に乗り(ターミナルには島民専用の控え室が!)、両岸に千葉と神奈川を眺めながら東京湾を南下、外海の波の大きさに驚きつつ、なんとか酔わずに大島へ到着💦

大島には港が2つあって天候で使い分けている、ということを前日まで知らず、到着港ではない方の町に宿をとったので、初日から最終日まで、観光も含めてバスにたくさん乗りました!
おかげでわりと早く地理に慣れた♪


初日の出はきっと起きられないので早々に諦め、そのぶん日の入りを堪能✨
空の広い島で見る夕陽はとても綺麗で、夜は星も大きく、遠くに美しくそびえる富士山も毎日眺められて、お天気に恵まれて本当に良かった😆

大島には大学駅伝の選手たちがたくさん合宿に来るそうで、泊まった旅館でも年明けはその話題でもちきり。
お正月らしい朝ごはんをいただきながら、女将さんたちと一緒に広間で応援しました🎌


大島といえば椿、元日は、約1,000品種(!)の椿が植えられた椿園を散策🌺
海を眺めながら、お隣の広々とした動物園を巡り、名産の明日葉をラクダにあげたり(いろいろカルチャーショック…)、エミューが元旦に産んだばかりの大きな濃緑の卵を見つけたり☆

島の南端にある美しい波浮(はぶ)港へも行きました。
穏やかな小さな湾内に、人々の生活の空気があり、子供たちが釣りをしている横で、夕陽が波に揺れ。
素敵なところだった。


この帰り道にバスの車窓から見た、地層の大切断面が、火山島 大島の歴史を感じた第一歩でした。

翌日、島の中央の三原山へ🌿
全島民が島外へ長期避難した、34年前の噴火の痕跡がそのまま残っている、溶岩の道を辿り、果てしなく遠く高く見える山頂まで一歩一歩足を進める。

色の少ない冬の山肌、ジャリッジャリッと溶岩のかけらを踏みしめる自分の足音が止まると、完全に音のない世界。
そして山頂にぽっかりと口を開けていたのは、直径300メートル/深さ200メートル、ところどころ蒸気の立ち上る、大噴火口。

言葉を失う光景でした…。
'86年の噴火の時、奇跡のようにそこだけを避けて溶岩が流れていったという、山頂の三原神社で初詣。

振り返って見えた、海の先に続く島々の、神々しかったこと。
そして、ふもとの喫茶店で食べたお汁粉の美味しかったこと。

翌日は火山博物館を訪ね、噴火当時の映像なども見てきました。


大島には、約300万本のヤブツバキが自生しているそうです!
椿ってちょっと大仰な、派手なイメージがあったけれど、大島の椿たちはなんというかすごく自然体で、可愛かったな😃

お土産に買ってきた島の焼酎を少しずつお湯割で飲みながら、しみじみいろいろ思い出す、良い旅でした🐫


 * * *

🌱 今週末は歌の方々とのコンサート♪
🌱 2/3 通奏低音組合 第5回公演「息吹き」チケット販売中!!