2023年10月29日日曜日

Purcell Project 2023

(本当に贅沢で幸せなことに)毎秋恒例になっているPurcell Project、今年もたくさんのお客様に見守られて、無事終演しました!

チェンバロとはまた一味違う歌心が生まれる、オルガンの通奏低音、特にこのグループで弾く通奏低音は、いつも格別。
パーセルの音楽だけに集中して、回を重ねて信頼関係を築いてきたメンバーとの、本番でのやり取りの楽しさ、味わい深さ、美味しさは、なかなか他所では出会えないスペシャルディナーなんです💛
最後の曲を弾きながら、終わるのが本当に寂しくなってしまいました。

今回の4曲、(どれもひたすら王様万歳!の歌詞内容はさておき…)展開が複雑で細かく、通奏低音だけのオスティナート曲もたくさんあって、なかなか苦労しました💦
おそらくほとんどの方が初めて聴く曲ばかり、責任重大だし、もっと良い右手をつけてもっと魅力的にお届けできたんじゃないかな、、と思うところもあるのですが、これを栄養にしてまたがんばります。

本当に、Purcell Projectでこそ生み出せるパーセルの音楽が、できてきていると思います。
また来秋、どうぞお楽しみに❗️



さあ、11/3《ひとり琴》です、ドキドキ。

4年ぶりに伺うGallery 鶉の、あの素敵な空間、そして集ってくださるお客様のあたたかな雰囲気を想いながら、日々練習しています。
チケットはおかげさまで、13時開演:完売/16時開演:残席僅少となっております。

御予約はこちら → 📩 magatamary@gmail.com

2023年10月25日水曜日

音と声と煙

池上は子供の頃に、法事などでたびたび訪れていた町。
池上のお寺での、ヴァイオリン杉原まさみさんのリサイタルを初めてご一緒した時は、20年前の記憶がどっと溢れ出るような想いで、感無量でした。

6年ぶりに、また本妙院の本堂をお借りしてのコンサート。
リハの合間に、お参りをして、お蕎麦を食べて、久寿餅を買って…🥰
 
大好きなビーバーのヴァイオリン曲を久しぶりにたっぷり弾けて、大変でしたが本当に楽しかった。
チェンバロソロは、これも久しぶり、ムッファトのパッサカリアを。
すべて、輪廻。

そして、翌日からは切り替えてオルガンへ!
参加10年目になる、Purcell Projectです🌹
今年は声楽メンバーが少し変わり、また新たな響きが生まれています。
このパーセルの至上の響きに、どうぞ全身包まれてくださいますように。

10月26日(木)19時〜オペラシティリサイタルホールにて。当日券あり。


🍁 11/3 《ひとり琴》 チケット情報 🍁

・13時開演:完売御礼
・16時開演:余裕あり 御予約お待ちしております!
📩 magatamary@gmail.com

2023年10月14日土曜日

金木犀記念日2023✨

先週末は5年ぶりに福岡へ。
全国の木管・金管楽器メーカーが集まる楽器ふぇすたというイベントで、全音楽譜出版社にいるリコーダー游恩齊くんと共にショートステージを3つ。

小さな子供から、音大受験生や、愛好家歴の長そうな大人まで、たくさんの笑顔とワクワクが満ちた会場、とても楽しい空間でした!
どのブースも金管多めでまばゆいキラキラ、試奏の音量もパワフル、そんななか(同い年の凄腕リコーダー吹き)游くんの演奏で一人でもリコーダーや古楽に興味を持ってくれる人が生まれたら嬉しいなぁと思いながら…☺️

前乗りして夜の屋台にも行けたし、イベントも楽しかったし、天神地下街の可愛らしいオルゴールのからくり時計には釘付け(からくり大好き🧡)、短い滞在でしたが楽しい福岡とんぼ帰りでした!


🍁 11/3 《ひとり琴》 チケット情報 🍁

・13時開演:完売(当日券なし) ありがとうございます!
・16時開演:まだ余裕ございます 御予約お待ちしております!
📩 magatamary@gmail.com


そして、秋もいよいよ本番、コンサートも目白押し⭐️
ぜひぜひお出かけください😄
出演情報

2023年10月3日火曜日

樹弦夢君のお話

今年の《ひとり琴》では、おなじみアトリエ響樹 加屋野木山さんの製作による、珍しい15分割鍵盤の楽器を弾かせていただくことにしました。
有名な音律「アーロンのミーントーン」の発表500年記念🎊が今回のテーマのひとつなので、それならばぜひ、よりミーントーンの世界に深く踏み入ることのできる楽器を使いたい、と。
そして、とても面白く複雑な楽器なので、事前にブログで説明を…と思っていたら、加屋野さんに(Facebookの投稿で)先を越されてしまった😅
楽器と音律のことを、これ以上正確に専門的に私が書けるわけがないので、許可をいただいて、核心部分を転載します!

 🌳 🌳 🌳

ミーントーンは、唸らない長三度、つまり純正な長三度を8個も内包した音律で、それゆえ黒鍵(♯キー)では異名異音が発生してしまう音律である。
例えば、ソ♯と調律したら、ラ♭としては使えない音になってしまう。
(音が出ない訳でなく、すごい音が出る。)
つまり黒鍵は、両隣のどちらかの音の♯か♭に、調律によって限定されてしまうのである。

なので、一般的な1オクターブ12分割の鍵盤では、曲の中でひとつの黒鍵に♯音♭音の両方が求められる場合、ミーントーンで調律するとオーマイガーな響きが生じる。

これを解決する為に作られたのが分割鍵盤で、黒鍵を前後に2分割して、♯音と♭音を曲の中で弾き分けることが可能になった。
分割鍵盤チェンバロはミーントーンの為の楽器、つまり現代の平均律には全く必要の無い装置でもある。


低音部の分割は、中高音域とは異なる音が出る。
これはショートオクターブと言って、演奏であまり使われない音を省き、パイプの節約に貢献した、オルガンからのアイデアである。
これにより低音部は、ミ♭レ♯ 及び ド♯レ♭の音は存在しない。

黒鍵の二階建て構造
ちなみに。
平均律以外の音律には全て主従関係があり、基本的に白鍵(♮キー)が主、黒鍵が従になる。
例えば、レ♯はシに寄り、ミ♭はソに寄るので、レ♯の方が音は低く、ミ♭の方が音は高くなる。

なんとなく♯の方が高くて♭が低いとイメージしてしまいがちだが、主である白鍵から長三度として寄ると、♯が低く、♭が高くなる。

 🌳 🌳 🌳

というわけで、私は今この楽器で、必死になってさらっているところです💦
いつもの指の場所の感覚で弾いて、すごい音が出て、ひぃぃっとなってます。
演奏中の(もはやアクロバティックな)手元を見ていただきたいような、お見せしてはいけないような、そんな気持ち。

実は今回のチラシ、この鍵盤を写真に撮り、万華鏡風にデザインしました✨
そんなの誰も気づかないよ…と言われたので、チケットには鍵盤写真をそのまま薄〜く載せました。。

全席自由 3,500円(学生2,500円) 於:Gallery 鶉(豊島区目白)

13時開演の方は、お席が少なくなってきました。
御予約をお待ちしております❗️ → 勾玉音℃ 📩 magatamary@gmail.com