どの曲も冒頭から、予想のはるか上を飛び超えていく和声進行やフレージング、もう驚きの連続…
ただ「バロックと古典の隙間」と言ってしまってはあまりに表現不足、なんて斬新で面白い時代なんだろう❗️
調性という大きな制約を軽々と解き放つ、クヴァンツの新鮮な感性。
万華鏡のように次々と新しい音型を繰り出して楽しませてくれる、陽気なプラッティ。
イレギュラーという言葉はこの人のために…?!と思わされる、クラインクネヒトの奇想天外さ。
本当にわくわく満載のプログラムになりました😍✨
後半で1曲、ソロを弾きます。
久しぶりのお手合わせ、大バッハの次男 カール・フィリップ・エマヌエル・バッハの、ヴュルテンベルク・ソナタ第5番です。
今回はプログラムのほぼ全てを手稿譜で演奏しますが、このソナタの楽譜、2楽章に、ぜひご紹介したいお気に入りポイントが💛
実はこの楽章、この時代においてはかなり珍しい、変ホ短調(調号6個)という込み入った調性で書かれています。
(正直、鍵盤の古典調律の点ではお手上げ…)
調号を書く順番は本来、五度圏の進行順に決まっていて、変ホ短調だと♭をシ→ミ→ラ→レ→ソ→ドの順に置いていくのですが、写真1枚目を見てください、その順番を無視して上からなだらかに、ミレドシラソと下降しているのです。
ため息のような、優しい涙のような、隣り合った音へゆっくりと移っていくモチーフが一貫して流れ続けます。
C.P.E.バッハはこの曲調を、調号の書き方、つまり楽譜デザインにも反映しているのです。
変ホ短調という調性上、曲が展開していくと、より込み入った臨時記号「ダブルフラット」が頻繁に登場します。
これも本来は♭♭と2つ並べて表すのですが、この写真のように、なんとサイズの大小で表現。
ここ大事なところなんだ!と強調して大きく書いてくれたんだなと、ついこちらもより想いを込めて音を出したくなるのです。
現代の出版譜ではどちらも標準表記に直されているので、やはりそこからは読み取れない多くのことを、オリジナルに立ち返ることで発見できる、これが楽しい😋
そんなことを考えて、ニヤニヤしながら練習しています。。
ぜひ聴きにいらしてください❗️
※ 公演前日2/2アウトリーチも、もう少しお席ございますので、こちらもぜひ🎶