2025年11月21日金曜日

5ヶ月ぶりの雪

とは言っても、6月のはポプラだったか…(→ 六月の雪 )💦
札幌駅に降り立つと、関東の人間には信じられないほどの、さらさらの雪が出迎えてくれました。
傘も手も、全く濡れない、不思議。

ヴァイオリンの髙橋奈緒さんが共演の声をかけてくれて、札幌での六花亭主催コンサートへの出演という、ひとつの大きな夢が叶いました。
私の六花亭愛を日頃からよく知っている家族や知人が、お〜ついに!願えば叶うんだね!なんて言ってくれて😭
奈緒ちゃんの、しっかりとした技術に裏打ちされた伸びやかで豊かな音楽づくりに誘われて、とても楽しく自由に演奏することができました。
寒い夜のコンサートでしたが、おいでくださった皆様、ありがとうございました。


札幌本店ふきのとうホール所蔵のチェンバロは、たしか12年前にオランダから日本に来て、まず帯広本店はまなしホールに置かれ、しばらくお披露目と弾き込みも兼ねて毎週のようにコンサートが行われて、当時私も何度か弾きに伺いました。
そして、帯広から札幌に移動して以来初めて、今回のコンサートのためにふきのとうホールから真駒内六花亭ホールへ運んでくださり、おかげさまでバロック・ヴァイオリンとチェンバロでのコンサートをすることができました。

六花亭の方々のホスピタリティは今までも素晴らしいなぁと感じることばかりでしたが、今回コンサート出演者という立場で拝見して、もう本当に驚きと感動の連続。
なんてありがたい…としみじみ感謝しながら、毎日すきま時間に美味しいものを食べ続けておりました💛


札幌には、これまでも数度共演し、懇意にしてくださるソプラノの陣内麻友美さんがいらっしゃるので、市内のStudio26というとても素敵なカフェ兼コンサートサロンにて、一緒にお昼のコンサートを。
オーナーの御夫妻があたたかく迎えてくださり、常設の1段チェンバロを自由に弾かせていただいて、この日もまた心から幸せなひとときを過ごしました。
同じ空間ですぐ近くで音楽を楽しんでくださった皆様、ありがとうございました🌹

そうそう、こちらで本物のペチカを初めて見ました。
さわると優しい温もりが伝わる煉瓦。
そして、麻友美さんのお宅でリハをした時、窓のすぐ外に来てくれたリスとタヌキの写真!可愛かった!


短い滞在で、たくさんの方々にお世話になり、良い想い出をいただきました。
演奏でしか恩返しできませんが、また機会をいただけるようにがんばります😌

2025年11月17日月曜日

ドイツバロックの粋

暖かな小春日和の夕暮れに、大久保までお越しくださった会場いっぱいのお客様、本当にありがとうございました😊

8年前、『粋』トリオの初コンサートを計画した時、ドイツものを集めて、福澤さん&髙橋さんとの会話の中から言葉を拾い「秩序と情感」というタイトルをつけたのですが、やはりまさに。

昨日も弾きながら、重心のしっかりした音楽から魔法のように生まれる、時には空高くどこまでも駆け上がっていくような、時には奥底深くまで染み入るような、そして時には心も体も激しく揺さぶられるような、たくさんの喜びを感じることができました。

ブクステフーデの通奏低音の懐の深さたるや…バッハの通奏低音の盤石さたるや…そしてチェンバロという楽器のもつ柔軟で大きな表現力。
弾きごたえという言葉ではとても足りない、今すぐまた試行錯誤を始めたい、そんな魅力のるつぼ。

2年に一度のペースで回を重ねている『粋』シリーズ、またきっと2年後に🍁

さあ、そして明日から北の大地へ!
真冬の準備をしなければ…。
19日@真駒内六花亭ホール20日@Studio 26、両公演ともありがたいことに完売だそうです。
頑張ってきます😊

2025年11月12日水曜日

良い色の陽

季節が進んで紅葉が深まり、次の日曜はいよいよ、ヴァイオリン髙橋奈緒さん&ヴィオラ・ダ・ガンバ福澤宏さんとの楽しみなコンサート!

紅葉と共に日々深まるのは、ブクステフーデ愛🍁
この編成の彼のトリオ、旋律や和声、音色のバランスの美しさは他の追随を許さないものがあり、天上の世界とはこのようなものか…とまで思うこともあり。

それを支えるのが、通奏低音ですよ!
このオスティナート(=繰り返し)旋律の発想力たるや。。
今回取り上げる3曲全て、オスティナートが見事に織り込まれています、ネタバレだけど。
でも最初は聴き取れないかもしれない、あまりに自然で。
そして、あ、バスがオスティナートだ…と気づいた瞬間、その世界の広がり方にぶわっと鳥肌が立つんじゃないだろうか。

さらにバッハ、3つの楽器がそれぞれ主役となる、全て編成の違う3曲、実はかなり力の入った選曲です!

2年ぶり5回目の『粋トリオ』、どうぞ聴きにいらしてください🌼

Facebookイベントページはこちら、登録しなくてもご覧になれると思います。
(主催様による可愛い曲紹介が載ってます☺️)

🌾 出演情報 更新しました

2025年11月9日日曜日

Purcell Project 2025

今年も幸せな時間がやってきて、そして過ぎていきました。
形に残らず過ぎて溶けていくからこそ音楽は美しい、でも寂しさもあり。
そんな、パーセル。
久々のみなとみらい小ホール、客席がコキア畑のようで綺麗でした🍁

次回は、2026年10月23日に開催予定です!

いつもPurcell Projectで隣同士でご一緒するのは、大好きな素晴らしいチェリスト・通奏低音奏者(そしてハルモニウム奏者!)の西澤央子さん。
パーセルの音楽は、本当に一筋縄ではいかない和声進行とそれがもたらす極上の美、独特の個性に溢れていて、通奏低音は毎年試行錯誤の連続。
うまくいくと、この上ない快感だし、失敗も多々…。
いつも央子さんに教わること、助けていただくところがたくさんあり、とても贅沢な音楽体験をさせていただいています。

チェリスト・通奏低音奏者の鈴木秀美さんが、web連載記事の【通奏低音弾きの言葉では…(アルテス電子版)】のなかで、「理想は『バスがしっかり聞こえるチェンバロ』『和声があるようなチェロ』『音量が増減するオルガン』である」と書いていらして、まさにいつまでも目指すところはこれなのだと。

この秀美さんの記事、とても面白く読み応えたっぷりなので、ぜひ皆様ご一読を!

🍎 出演情報 更新しました

2025年10月31日金曜日

プラチナ★シンガーズ

創立10周年記念、7回目の演奏会を、客席から見守る。
14ヶ月という長い練習期間を共に過ごし、本番のこの時この瞬間に全力できらりと輝く、合唱団ならではの魅力を久しぶりに外から感じ取って、いろいろなことに思いを馳せながら、感極まってしまいました。

今日がプラチナ初舞台の方もおられれば、11年皆勤継続中の方ももちろん。
そして今日が、合唱人生で最後の舞台になる方も、おそらくいらっしゃる。
そういう合唱団なんだ、プラチナは。

儚さと愛しさと天上の光がないまぜになったような、グノーの美しい「レクイエム」。
人は土に生かされている、日本語の力強さと優しさが染み入る、佐藤眞「土の歌」。
ピアノ伴奏の日々から羽ばたいてくださった、皆さんの歌声、とても良かった。

第1回演奏会でも取り上げた「土の歌」、あの時もそして今回も、大木惇夫による歌詞に心が震え続けました。
練習中に何度、静かに涙したことか。
いま思うとそれは、言葉の力であり、プラチナの皆さんの歌声の力であったんだなと。


来年1月の新シーズン開始に向けて、新しいお仲間の募集も始まっています。
13ヶ月かけて取り組むのは、フォーレ「レクイエム」と、木下牧子「光はここに」。
2027年2月3日の第8回演奏会の日に、65歳以上の方が対象です。
 ↓
プラチナ★シンガーズ 参加者募集ページ

私もまた最初から最後までご一緒します!
このままプラチナが続いていくと、少なくともあと20数年は(指導者・事務局含めても)私が最年少であり続けるわけですが…皆さんに倣って情熱と重心をたしかに持って音楽をしていきたいなと思います。

 地の上に花咲く限り よろこんで日ごと営み かなしみも耐えて生きよう 

2025年10月27日月曜日

ひとり琴 十一弦 〜琴線〜

今年もおかげさまで、無事終演しました。
雨の中お越しくださった、会場いっぱいのお客様、そして応援してくださったたくさんの方々、本当にありがとうございました❣️

風のように川のように音が流れ続けるトッカータと、アイデアの妙を味わえる変奏曲のペアリング、お楽しみいただけたでしょうか。

たくさんの作曲家が登場し、それぞれの才能と感性が豊かに次々と開花し続け(しかも全て大輪の花ばかり)、私はすっかり栄養分を吸い取られました…自分で計画しておきながら。

加屋野木山さん製作のチェンバロ「五郎君」、昨年の《ひとり琴》でデビューしてからの1年間、いろんな場所でいろんな方に弾いてもらい成長して、とても良く鳴り、たくさん助けてくれました。
本番前に何度もこの楽器で練習させていただき、少しずつ仲良くなって、当日はしっかり相棒になってくれたと思います。

そして、いつも広いお心で自由に会場を使わせてくださる、Gallery鶉のオーナー様にも、心からの感謝を。
他所では得難いあの空間の雰囲気が、《ひとり琴》を続けていく上で大きな支えと喜びになっています。
昨日は演奏中に、外の鳥の声が聴こえてきて幸せでした🌼

来年は何を弾こうか。
11月初旬の開催を目標に、これからまたゆっくりと、練っていきます😌

🍁 出演情報 更新しました

2025年10月15日水曜日

急に寒い…

年を追うごとに、曲のテンポ設定が少しずつ遅くなっているような…何年も前に弾いた時の、時間のメモを見てびっくりしたり。
チェンバロの個体差やタッチの状態を敏感に感じ取ろうとすることはいつもすごく大切で、その楽器の最高の音を引き出したいと思いながら弾いていると、結局は8フィート1本で弾くのが一番心地良く、全部それでいいんじゃないかと思ってきてしまう…とはいえ、聴く人にとって楽しめる変化をつけるためにストップ計画をいろいろ練ったり。
そんな昨今。

先日アイゼナハ音楽院の秋の発表会が無事終わりまして、チェンバロの皆さん、そしてアンサンブルでご一緒した皆さん、本当に頑張ってくださいました。
きっとそれぞれに緊張や興奮もしつつ楽しんでくださったはず。
次回がもう待ち遠しい!

最後の講師演奏という緊張感のあるコーナーでは、軽井沢に引き続きマルシャンを。
もはやちょっとしたマイブーム。
いつかまた、じっくりね。

《ひとり琴》2週間前を過ぎ、いよいよ本番楽器をお借りしての練習を開始!
楽器にヒントをもらうことはとても多くて、一気に練習の密度が濃くなり、焦点が合い始めます。
しばらく弾いてちょっと飽きると、美しい木や装飾を観察し出して、またあっという間に時間が…。

13時開演:完売 ありがとうございます!
16時開演:残席わずか どうぞお早めの御予約を!


これが終わると来月にはまた楽しみな本番が立て続けにあり、その中のひとつが(六花亭オタク念願の)真駒内六花亭ホールでのコンサート🌺
11月に入ったら、六花亭愛に溢れた熱い長文と共に宣伝を、と思っていたら、なんと公演1ヶ月以上前にも関わらずチケットが完売したとのこと…札幌の音楽ファンが六花亭へ寄せる信頼の証ですね、素晴らしい。

🍁 出演情報 更新しました

2025年10月8日水曜日

触れる

今日ついに金木犀の香りを捕捉!
嬉しいなぁ、秋が来ましたね😌
夕焼けが美しくて足が止まるし、夜はベランダに椅子を出して、のんびりと月見酒…良い宵。

音楽をやっている(楽譜を読む)人は、電線を見て五線譜を思い出すことがあるのでは。
送電塔があると、電線もいっぱい。
鳥がドに留まってるなぁとか、月がラの音だなぁとか。

とはいえ、楽譜が5線で表されるのが普通になったのは、実はバロック中期辺りからなのです。
写真左の楽譜はイタリアのG.フレスコバルディ(1583-1643)のトッカータで、右手は6線、左手は8線。
右の楽譜はドイツのJ.J.フローベルガー(1616-1667)のトッカータ、こちらは右手は6線、左手が7線。

見慣れないとびっくりしてしまうし、これでパッと弾くのは難しいですよね…私もまだ全然慣れません。
この2曲は今度の《ひとり琴》で演奏しますが、使っているのは現代の五線譜です😅
にしても、フローベルガーの楽譜の飾り文字、本当に手が込んでいて美しい。

記譜法や調性の仕組みがだんだんと規則化・統一化されて、(いわゆるクラシック音楽の)地盤を固めたとも言える、バロック期の音楽の流れを追体験するのは、つくづく面白いなと思う毎日です。

🌟 10月26日《 ひとり琴 十一弦 〜琴線〜 》🌟
おかげさまでチケットが残り少なくなってきました。ぜひお早めにお求めください!


🍁 出演情報 更新しました

2025年9月26日金曜日

森のざわめきと 河口の潮風

帰ってきてから早くも丸3日が過ぎ。
軽井沢の早朝は、しんとした10℃、地元の昼は、30℃…❗️
翻弄される9月の終わり。

今回もまた、全国各地から集まった福澤宏さんのお弟子さんたちと共に、充実した合宿を過ごしてきました。
指折り数えればもう17年目のお付き合いになるお馴染みの方から、今回初めてご一緒する方まで、4日間ぐっと詰まった音楽の時間を共にして、本当に幸せな日々。

軽井沢コルネのオーナー御夫妻があたたかく迎えてくださり、連日お世話になりました。
いつもありがとうございます。

福澤さんとのコンサートは、(マレもクープランもバッハも出てこない)マイナープログラムを、たくさんのお客様に興味深く聴いていただけて、嬉しいひとときでした😊
今回チェンバロソロの時間を少し長めにとったので、ルイ・マルシャンの組曲を入れてみたのですが、やっぱりちょっと独特で美しくて良かったな。
プレリュードだけ、11月の六花亭真駒内のコンサートでまた弾きます。

最終日の発表会も、今年はお客様がたくさん来てくださったので、またちょっと緊張感や高揚感もプラスされて良かった。
そして、福澤さんの通奏低音の素晴らしさ。心底、絶妙。
どれだけ時間が経っても教わることばかりだし、こういう演奏を聴いて多くのことを得て感じて、良い通低弾きがもっとたくさん育ってほしいと、切実に願うばかり。

🔶 10/26《ひとり琴 十一弦 〜琴線〜》まで、あとちょうどひと月となりました!

今回、トッカータがひとつの大きなテーマなのですが、サブテーマとして、様々なタイプの変奏曲をプログラミングしました。
同じテーマが繰り返されながら育っていくのって楽しいし、どう料理しようか考えるのも、また楽しい。
どうぞ、お楽しみに💛
公演御案内はこちら

🌼 出演情報 更新しました

2025年9月16日火曜日

森へ行く前に

長い残暑に少々やられ気味でしたが、やっとやっと、落ち着くかしら。
もはや懐かしい、8月最後の太陽ピカピカだった日の写真を載せます…。

横浜シティ合唱団、コロナ禍以降の中止を経て6年半ぶりの強化練習合宿。
めいっぱい音楽して、へとへとで笑顔で解散して、誰もいなくなった会場のピアノ(天井コラボ)、そして神奈川の海と、町角。
やっぱりメンデルスゾーン大好き。美しい和声と旋律の絡み合い、最高。
本番まで8ヶ月、まだまだお仲間募集中です! → こちら


そして、プラチナ★シンガーズは10月末に本番を控える中、年明けスタートの来期に向けて新しいお仲間の募集が始まりました! → こちら
どちらも新たな良い出会いがありますように。

家でぼーっとしている日にお呼びがかかると、工房に行って、簡単な手伝いをさせてもらっていた今月上旬。
チェンバロ1台ができるまでにかかる工程・材料の多さ、細かさは、何度目にしてもすごいことだなぁ…と。
何事もそうだけれど、物づくりは本当に、根気と情熱がないとできないな😔
良い楽器が生まれますように。

投稿をさぼっている間に、秋以降のコンサートのチラシや情報だけはちょこちょこと載せておりました。
→ 出演情報

今週末は、今年もまた巡ってきました、軽井沢での音楽漬けの日々。
コンサート・発表会あります♪

🌟 10月26日《 ひとり琴 十一弦 〜琴線〜 》🌟