2025年4月29日火曜日

山の紫


甲府の街を会場に毎年行われている、国際古楽コンクール〈山梨〉
学生時代〜卒業後しばらくは、受験者として、そして伴奏者として頻繁に行っていましたが、今年、10年ぶりに伴奏参加。
10年…ひと昔…。

大活躍中の眩しい後輩、数年ぶりにお会いできた大好きな先輩、そして(この方々の献身的なサポートがなければコンクールは実現し得ない)製作家・調律師さんたち。
たくさんのチェンバロ関係者とお話しできて嬉しかったです☺️

コンクールという特殊な場で、まぁいろいろと思うところもあり、看過できないトラブルもあり…。
楽しい記憶の写真は、空き時間に食べた美味しいものたちと、散歩した舞鶴城、そして本選会場の風景。
そうそう、私のホームページの一番上に載せている、チェンバロがずらっと並んでいる写真は、たしか13年前に受けた時の本選風景です。感謝。

甲府へ向かう車窓から見えた、新緑の山々、その中にふわりふわりと咲く藤の花、とても綺麗でした。
良い季節🌿

戻ってきてからは、チェンバロと一緒に演奏してみたいというモダンの歌・楽器の方々が企画された音出し勉強会で、短時間集中でいろいろと弾いたりお話ししたり。
バロック音楽への理解を深めたい、という言葉はなんだか大仰で、最初は単純にチェンバロにちょっと近づいてみたい、で十分嬉しい。
こういう体験の機会がもっと増えていって欲しいな、きっかけ作りって大事だな、と強く感じた一日でした🌼

そういえば、甲府のホテルの枕がすごくぴったりで、毎日の慢性的な首周りの痛みが激減し、びっくり!
学生時代から枕の試行錯誤はあれこれしてきたものの、最近怠って、というか諦めていたなと反省し、甲府での記憶をもとに今一度、高さ・形状を研究中です。
Wホテルありがとう、枕大事。

5月5日「チェンバロの日!2025」チケット発売中


2025年4月24日木曜日

良い春の陽

久々に工房へおじゃま。
いま入院中のクラヴィコード、鍵盤がこんなにちっちゃくて可愛くて🥰
帰宅してからピアノと比べたら、この差。
チェンバロも(タイプ多様ながら)鍵盤は奥行き短め。

いつもチェンバロのレッスンで口を酸っぱくして皆さんに言っている、鍵盤シーソーの話、鍵盤上のどのポイントで弾くとどうなるかという話、これを見たら納得してもらえるんじゃないかなぁと思います。
楽器の構造を理解して、より良い音を無理なく出す方法を考えるの、大事。


先週末は春恒例、アイゼナハ音楽院の発表会でした🌸

チェンバロの生徒さんたちの演奏は客席で、他楽器の生徒さんたちの演奏は通低弾きとして舞台上で。

本当にいつも、発表会は大切な日。
よく弾けた!と喜ぶ人もいれば、失敗しました…と凹む人もいて(私だってコンサートのたびにそれの繰り返し)、長い時間練習してきたものが一瞬で音になって消えていって、その形のない一瞬の連続は記憶となって、でもそれを忘れてまた新たな音楽へ歩みを進めるんだなぁ。
そんなこんなを全部ひっくるめて、大切な日。

会場隣の広い公園で、春が鮮やかでした✨


🌿 出演情報 更新しました

2025年4月18日金曜日

出会った日々の想い出と これから出会う日々への憧憬

長いです、若い自分からの手紙の話。

🌱『日々のささやかな楽しみ』というタイトルで、藝大3年目、20歳の初夏に日記ブログを始めました。
それまでも、携帯からポチポチ投稿できる簡易サイトでひっそり文章を書いていたものの(懐かしの「魔法のiらんど」!)、文字数制限のないブログというものを使っていろいろ書いたり写真を載せたりしてみたい、と思ったらしい。
手書き日記は性格的に全く続かず、ブログ仲間同士でコメントをしたりもらったりするのも楽しく。

それ以来、長い大学・大学院生活を経て10年間書き続け、ホームページ開設を機にそのブログは閉じました。
とはいえ消したわけではなくて、なんとなく自分の青い10年間の記録が恥ずかしくなり、非公開設定にして密かにしまっておいたのです。
ホームページで新たに始めた『雑記』は、ちょっと外向きの顔をした私が書いていて、そこで5年間続けてから今のこのブログへと移りました。

🌱 そんな、随分とお世話になったブログの運営会社から、今年でサービス終了というお知らせ。
そのまま葬ってしまうのはあまりに寂しいので、他社のブログにデータ引越し作業、これがなかなかの手間で。
処理の時間的な手間もさることながら、部屋の片付けを始めた途端に懐かしの写真アルバムを手に床に座り込んでしまうのと同じで、まぁ進まないこと。

毎日持ち歩いていたデジカメや携帯で撮った、日々のちょっとした、でも心に響いた情景の写真、それに添えたほんの一言。
その日その時の気持ちや考えを、(今の自分から見ると)ほとんど濾過することなくさらけ出し、でもすごく心が見える長文。
話し言葉そのままの日もあれば、詩になっている日も。
講習会やコンクールを受けに行ったヨーロッパ旅行記はボリュームたっぷり、でも案外記憶に残っているのは、大学へと向かう道で撮った、なんてことない空の写真だったり。

🌱 学生時代は忙しく過ごしていて、レッスンと授業の合間の短い休み時間に、古楽科やモダン専攻の友人たちとのあらゆる合わせを詰め込み、自分の練習時間は夜11時までの居残りで確保、カンタータクラブの活動も大事で、ぽっかり時間が空けば学食で仲間と話し込み(この時間も音楽の並走路だった)。
週に3日は飲食店でバイト、演奏仕事も少しずつちらほら、それらをこなしながらコンサート・ライブ・ミュージカル・演劇・寄席・美術館・映画館にたくさん通い、本をたくさん読み、ラジオやCDをたくさん聴き、そして文章を書いている。

安全運転で過ごしている今からは信じられないほど無謀でタフで(とはいえ頻繁にがっつり風邪をひいたり食あたりに見舞われたりしている)、感覚も言葉選びも今よりずっと繊細で豊かで広くて、それでいて、精神的にめちゃくちゃブレている!
ちょっとあなた、数日前のあのアンニュイなポエムはなんだったの!と、40代の私が顔を覆って叫び出したくなるような、くるくる変わる感情の波、溢れんばかりの喜怒哀楽の日々。

🌱 本当に、なんて素敵な手紙の束だろう。
恥ずかしい過去、と封をしたはずなのに。
あの頃があるから今があるのだと、たしかに受け取ったよと、ひとつひとつ読み返しながら心の中で若い自分にささやいている。
そして、移行作業はまだまだ終わらないのです…。

  ・  ・  ・

📍 チェンバロが好きです。大好き。今日のひとこと。
📍 もうちょっと 頑張れ
📍 未来のことを考えるっていうのは 人にとって すごく大切でハッピーなことだな

📍 このブログを始めた時てきと~につけた「日々のささやかな楽しみ」というタイトルが、今ちょっとだけ自分の助けになっていたりする。
本当にささやかな物や事柄が、意外なほど気を晴らしてくれることってありますよね。
そういうのをちょっとでも見出せるだけ、まだ大丈夫って思える。

📍 将来の夢:幸せだなって思いながら生きること

  ・  ・  ・

そうそう、サービス終了といえば、Skypeも終わってしまいますね。
これまたとても長い間、離れた距離や心を通わせるためにお世話になっていました。
ここ数年オンラインレッスンもSkypeでやっていたため、来月以降はTeams(またはFacetime)に移行します。
レッスン随時受付中ですよ!と、最後に業務連絡でした😊

2025年4月12日土曜日

春の初めのカンタータ


先週末はセタガヤ・クォドリベットの皆さんとご一緒して、充実の、バッハのカンタータ3曲(45、106、198)のコンサートでした💐
どれも難曲、しかしどれも名曲。
特に初めて弾いたBWV198があまりに素晴らしい作品で、終演後数日間、じんわりと余韻に浸っておりました。

いつも本当に得るものの多い、セタQさんとの音楽の時間。
オケメンバーに感謝の言葉をたくさんくださるけれど、こんなに濃い学びをいただき、演奏機会の少ないカンタータも含め定期的に弾くことができ、感謝を申し上げるのは常にこちらの方。

私は、2015年の第1回コンサートから皆勤賞継続中!ということで、次回の共演が早くも楽しみなのです✨
来年3月下旬の予定😊

 🌸  🌸  🌸

昨日は今年初めての野球観戦に行き、順調に現地負け試合記録を更新…でも楽しかった。
春なのでいろいろと迷い事や心に引っかかっている保留事もありつつ、楽しめる日は存分に。

来週末は教室の発表会、そしてその翌週は、10年ぶりの甲府へ🐾
リハーサルやレッスンで、短時間ずつながらも多くの方々と共に音楽ができる、幸せな日々です。

5月5日「チェンバロの日!2025」チケット発売中

2025年4月1日火曜日

讃歓志音

3月最後の宵は、母校での集いへ。
東京藝大の古楽科設立から25年、耕し育て実らせてくださった先生方、多くの卒業生たち、そして在学中の現役生たちと、時の経つのを忘れる濃いひとときを。
様々な立場や世代の参加者のお話を聞かせていただいた中でもとりわけ、若い学生たちの真摯な熱い音楽への想いと真っ直ぐな言葉が、透き通る朝露のように心に響いたのでした。

会の様子は師匠のブログにて...🌷 廣澤麻美公式ブログ「A線上のアリア」
そして↓こちらの2つの動画も、もう一度。ぜひご覧ください。
🔸
「バロック期のヴァイオリン、チェロ  オリジナルの響きを求めて」
🔸「ヴィオラ・ダ・ガンバ 〜 眠っていた古楽器が教えてくれたこと」

オルガン、チェロの先輩方と

さかのぼって3月最後の日曜日は、東京バロック・スコラーズの皆さんとマタイ受難曲でした。

久しぶりのマタイ、今回はチェンバロで、しかもコラール以外の全ての曲を弾きっぱなしというハードさ(経験者なら分かっていただけるはず…)、最後まで集中力がもつのかとにかく不安が大きかったものの、なんとか無事弾き終えることができてほっとしています😞

さらにさかのぼって今年最初の小旅行。
焼き物大好き、いろいろ国内の産地や窯元を巡っていきたいと常々思っていて、この春は益子へ!

せっかくなので飛び込みでろくろ体験もして、忘れた頃に届くのを楽しみにしているところ🌸
お店をたくさん周り、手にしっとり馴染んだカップをひとつ連れ帰って、毎日幸せな気持ちで使っています。

さあ、今日から4月。
メサイア・フェスティバル・クワイアの今年初練習からスタート♪