2025年6月30日月曜日

ミナヅキミソカ

なんだか今年は紫陽花をゆっくり愛でる気持ちになれないまま6月が終わってしまうなぁ…まだたくさん咲いてるけど、この空梅雨、どうにも暑すぎて💧
この高い気温と湿度の中でじめじめと過ごしている日々でも、いざオルガンのパイプに息を吹き込むと、滞っている気が一気に流れ出して元気が出るのだ、と実感したこの10日間でした。

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昨年に引き続き、スプラ・アンサンブルの皆様と共に。
今回特に興味深かったのは、メンデルスゾーン10代の作品「テ・デウム」。

19世紀の音楽なのに、8人の独唱+8声の合唱+通奏低音(!)という、これぞまさにバロック大好きメンデルスゾーンという編成で、ふとバッハを想起させるような瞬間も多々あれば、メンデルスゾーン節とも言える美しいメロディーライン、輝かしい和声感や進行も満載で、とても良い曲だった🌟

この方の指揮で弾いていると毎回、ああ音楽楽しいなぁ!と思う、もう20年以上前からお世話になっている先輩、長岡聡季さんと、またご一緒できて幸せでした。


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6年ぶりに伺った、東京スコラ・カントールム
実は全然弾き慣れていない16世紀イタリアの宗教声楽曲ということで、歴史を重ねておられるスコラの皆様の中で私ひとり、ちょっと非日常の緊張感をまといながらも、豊島教会の素晴らしい響きに抱かれて贅沢な時間を過ごさせていただきました✨

教会での日中のコンサートで時々出会えるのは、光を通したステンドグラスの色が会場の中をゆっくりとすべっていく、美しい光景。
時には演奏者の譜面に、時には客席の方々のお顔に、柔らかな色が映って動いていくのを眺める喜び。

終演後、お世話になりっぱなし、大信頼の青木洋也さんと、愛すべきソプラノ小林恵さんと共に。


🍒 出演情報 更新しました

2025年6月18日水曜日

六月の雪

梅雨の湿気と猛暑から逃れるべく、2年半ぶりに札幌へ行ってきました。
11月に弾く予定の楽器の試奏、という名目で、のんびり行きたいところに行き、食べたいものを食べる旅🐾


着いた日から朝昼晩とふわふわ、白い綿のようなものが風に乗っていっぱい飛んでいる…なんだろう鳥の毛?
かなりの量が飛んでいて、ちょっと不思議な光景なのに、街の人たちは全然気にしてないし、一体なんなんだ?
調べたらそれはなんと、ポプラの綿毛。

関東では馴染みのないポプラという木、花が咲き実が熟して割れ、綿毛を付けた種が舞うんだそうです。
なんてメルヘン…✨

道庁の前庭へ散歩に行ったら、新緑輝く木々の下は、雪のように積もった一面の綿毛。
まだ小さな鴨の子たちはエサを探しながら、くちばしに綿毛をつけて走り回っているし、池には蓮の花が大きく咲いて美しく、なんだか別世界に入り込んだような、夢のようなひとときでした。


円山の森で聴こえてきたのは、馴染みのない音。
木々の奥から高く透き通った何かの鳴き声が…鳥?いやもしかして蝉?
あまりに綺麗な音に感動して、調べてみたら、エゾハルゼミ!
これもまた、初めての出会い。

余市で琥珀色の贅沢を楽しんだり、エスコンに野球観戦に行って青と白の牛を1匹連れ帰ったり、相変わらずの六花亭巡りをしたり。
良い旅でした。


白いふわふわの謎が解けた日、素敵な気持ちに浸りながら、まさにこういうタイトルの小説があったような…と札幌駅前の本屋で探して見つけた、乃南アサ『六月の雪』を、今とても興味深く読んでいるところ。
これも、良い出会いの本となりそう。

2025年6月11日水曜日

梔子

ご近所の満開サボちゃん
もう会えない人との、大切な記憶を宿した花や木が、いくつかあります。
この季節は、くちなし。
夜道に甘い香りと出会うと、ふわっと心の奥底から想い出が蘇る。
以前持っていた鉢植えはベランダサラダバーで完食されてしまって、あきらめてお別れしたけど、またいつか育てたいな…。

明日から久々に北の大地へ!

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