2025年12月16日火曜日

メサイア今昔

杉並公会堂の大きなメタセコイアクリスマスツリーに見守られて、メサイア・フェスティバル・クワイアの演奏会が無事終演🎄
今年も春の練習初日から本番最後までご一緒できました。

発足7年目のMFC、たしかな積み重ねと毎年必ず出会える新鮮さとの融合が、とても楽しい😊
前身のJVC合唱団からの長いお付き合いだった団員さんが今回で退団とのことで、そればかりは本当に抱えきれないほど寂しくて、ハレルヤ辺りからは例年とは違う特別な感傷で弾ききった終盤でした。
どうかお元気で、またお会いできますように。

来年度の練習は4月7日(火)18:30〜、大久保の東京中央教会にて始まります。
12月16日(水)の本番まで、私もまた共に完走する予定です!
経験不問、見学や入団はいつでも大歓迎です、どうぞご一緒に♪ → ホームページ



そして今月はもうひとつ、メサイアの本番がありました。
初めてご縁をいただいた、青山学院伝統の「オール青山メサイア」、それも記念すべき第50回公演🌟
合唱団にはOB・OGの方々も加わっておられましたが、オケもスタッフも全員学生、音楽専攻のない一般大学でこれだけの規模の演奏会ができるのかという衝撃。

ここでさらに私にとって初めての出会いだったのが、イギリス人作曲家Ebenezer Proutによる編曲版メサイア(1902)、いわゆる「プラウト版」。
管楽器&打楽器パートが大幅に加筆され、さらに大オルガンパートが登場、通奏低音という概念は消失(とはいえ私は普通に勝手に?チェンバロ通低を弾きました😅)。

え、この内容の歌の最中にその楽器でその対旋律入れちゃうの…?みたいな、ツッコミどころはたくさんありつつ、20世紀幕開けの頃の音楽のあり方や好まれ方が反映されていて、あらゆる楽器の演奏者が舞台に乗ることができるし、大音量ももはや気持ち良く、それはそれで面白かった。

他にも、青学の皆さんが受け継いでこられた大切な想いが演奏側にも客席にもたくさん感じられて、歴史の1ページに加えていただいた気持ちでした。
あたたかく迎えてくださった学生の皆さん、どうもありがとうございました💛

ちなみに、青学のクリスマスツリーはヒマラヤ杉だそうです🎄

2025年12月11日木曜日

歌と想い出と

山梨県の都留で毎夏開催されていた古楽の祭典、都留音楽祭に、ヴィオラ・ダ・ガンバクラスの受講生(!)として初参加したのが、2008年。
その後はレッスンのアシスタントチェンバリストとして、夏といえば都留!という10年間を過ごしました。
(→ 最後の年のことを書いたブログを発掘🤓)

そして、その都留音楽祭の声楽クラスのゲスト講師として、イタリアからたびたび招かれていたのが、ソプラノのRoberta Mameliさん。
受講生たちから親しみと尊敬と愛情を込めて、マメちゃんと呼ばれていた彼女の、来日公演の合間に東京で先週末行われたマスタークラス&発表会に、ご縁をいただいて伴奏に行ってきました♪
イタリア人の話すイタリア語を聞いてイタリア人の歌うイタリアの曲を聴くのって、ダイレクトに得るものがあるなぁと実感。

主催のえびらホールによる、録画配信のご案内を転載します。
(当日の参加者と時間割の表もご参考までに…)

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貴重なレッスンの配信アーカイブ、12/28(日)23:59までご購入・ご視聴いただけます!
配信でも良い学びを得られることと思いますので、ぜひ!

2日目配信購入:https://twitcasting.tv/ebilahall/shopcart/400301
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夜、ホールから東急目黒線の洗足駅へ向かう道に、明るい昼には気づかなかった美しい灯りたちがいくつも並んでいて、気になってよく見たらなんと、藤城清治さんの影絵が街路灯になっている!
ひとつひとつに見惚れてしまって、ゆっくりと本当に幸せな帰り道でした。

昔から大好きな藤城清治さんの作品、美術館や作品展に足を運んだこともあれば、思わぬところで出会うこともたびたび。
藤城さんと同い年の、大切な亡き人の墓所の壁に作品が飾られていたのを見た時は、なんという偶然、嬉しい導きだろう、と感動したのでした。

この洗足の街路灯のこと、記事を見つけたので、もしご興味のある方がいらしたらぜひ。
洗足の新しいホットスポット誕生。街路灯×影絵の幻想的な世界へようこそ!
またいつか、見に行きたいな🐾

2025年12月3日水曜日

アンサンブル・エスプレッソ 第34回演奏会

今年も「熱く!濃く!」エスプレッソのコンサートが終演しました🌟
御来場の皆様、ありがとうございました🎶

今年の新曲(新編曲)はバッハのシャコンヌ、大作だった。
旋律担当の管楽器6人+(主に)バス&リズム担当2人のエスプレッソ、同じパートの仲間意識でいつもお世話になっている、コントラバスの河原田潤さんが、今年は還暦の記念でソロコーナーもあり㊗️
いつもの名曲たち、ジャズも映画音楽もいろいろ弾けたし、今回はC.P.E.バッハの大好きなヴィオラ&バスリコーダー&通低のトリオも弾けたし、とても楽しかったのでした。

来年はおそらく11月下旬〜12月初旬、超大作の新曲が控えている(現在鋭意編曲中)とのこと🌟
☕️ アンサンブル・エスプレッソ ☕️ 今後ともどうぞご贔屓に!

さて、メサイアのリハが始まり、いよいよ本格的に12月の心持ち。
まだ年内にやりたいこと行きたいところがあるのだ…間に合うのか💦

🍊 出演情報 更新しました

2025年11月21日金曜日

5ヶ月ぶりの雪

とは言っても、6月のはポプラだったか…(→ 六月の雪 )💦
札幌駅に降り立つと、関東の人間には信じられないほどの、さらさらの雪が出迎えてくれました。
傘も手も、全く濡れない、不思議。

ヴァイオリンの髙橋奈緒さんが共演の声をかけてくれて、札幌での六花亭主催コンサートへの出演という、ひとつの大きな夢が叶いました。
私の六花亭愛を日頃からよく知っている家族や知人が、お〜ついに!願えば叶うんだね!なんて言ってくれて😭
奈緒ちゃんの、しっかりとした技術に裏打ちされた伸びやかで豊かな音楽づくりに誘われて、とても楽しく自由に演奏することができました。
寒い夜のコンサートでしたが、おいでくださった皆様、ありがとうございました。


札幌本店ふきのとうホール所蔵のチェンバロは、たしか12年前にオランダから日本に来て、まず帯広本店はまなしホールに置かれ、しばらくお披露目と弾き込みも兼ねて毎週のようにコンサートが行われて、当時私も何度か弾きに伺いました。
そして、帯広から札幌に移動して以来初めて、今回のコンサートのためにふきのとうホールから真駒内六花亭ホールへ運んでくださり、おかげさまでバロック・ヴァイオリンとチェンバロでのコンサートをすることができました。

六花亭の方々のホスピタリティは今までも素晴らしいなぁと感じることばかりでしたが、今回コンサート出演者という立場で拝見して、もう本当に驚きと感動の連続。
なんてありがたい…としみじみ感謝しながら、毎日すきま時間に美味しいものを食べ続けておりました💛


札幌には、これまでも数度共演し、懇意にしてくださるソプラノの陣内麻友美さんがいらっしゃるので、市内のStudio26というとても素敵なカフェ兼コンサートサロンにて、一緒にお昼のコンサートを。
オーナーの御夫妻があたたかく迎えてくださり、常設の1段チェンバロを自由に弾かせていただいて、この日もまた心から幸せなひとときを過ごしました。
同じ空間ですぐ近くで音楽を楽しんでくださった皆様、ありがとうございました🌹

そうそう、こちらで本物のペチカを初めて見ました。
さわると優しい温もりが伝わる煉瓦。
そして、麻友美さんのお宅でリハをした時、窓のすぐ外に来てくれたリスとタヌキの写真!可愛かった!


短い滞在で、たくさんの方々にお世話になり、良い想い出をいただきました。
演奏でしか恩返しできませんが、また機会をいただけるようにがんばります😌

2025年11月17日月曜日

ドイツバロックの粋

暖かな小春日和の夕暮れに、大久保までお越しくださった会場いっぱいのお客様、本当にありがとうございました😊

8年前、『粋』トリオの初コンサートを計画した時、ドイツものを集めて、福澤さん&髙橋さんとの会話の中から言葉を拾い「秩序と情感」というタイトルをつけたのですが、やはりまさに。

昨日も弾きながら、重心のしっかりした音楽から魔法のように生まれる、時には空高くどこまでも駆け上がっていくような、時には奥底深くまで染み入るような、そして時には心も体も激しく揺さぶられるような、たくさんの喜びを感じることができました。

ブクステフーデの通奏低音の懐の深さたるや…バッハの通奏低音の盤石さたるや…そしてチェンバロという楽器のもつ柔軟で大きな表現力。
弾きごたえという言葉ではとても足りない、今すぐまた試行錯誤を始めたい、そんな魅力のるつぼ。

2年に一度のペースで回を重ねている『粋』シリーズ、またきっと2年後に🍁

さあ、そして明日から北の大地へ!
真冬の準備をしなければ…。
19日@真駒内六花亭ホール20日@Studio 26、両公演ともありがたいことに完売だそうです。
頑張ってきます😊

2025年11月12日水曜日

良い色の陽

季節が進んで紅葉が深まり、次の日曜はいよいよ、ヴァイオリン髙橋奈緒さん&ヴィオラ・ダ・ガンバ福澤宏さんとの楽しみなコンサート!

紅葉と共に日々深まるのは、ブクステフーデ愛🍁
この編成の彼のトリオ、旋律や和声、音色のバランスの美しさは他の追随を許さないものがあり、天上の世界とはこのようなものか…とまで思うこともあり。

それを支えるのが、通奏低音ですよ!
このオスティナート(=繰り返し)旋律の発想力たるや。。
今回取り上げる3曲全て、オスティナートが見事に織り込まれています、ネタバレだけど。
でも最初は聴き取れないかもしれない、あまりに自然で。
そして、あ、バスがオスティナートだ…と気づいた瞬間、その世界の広がり方にぶわっと鳥肌が立つんじゃないだろうか。

さらにバッハ、3つの楽器がそれぞれ主役となる、全て編成の違う3曲、実はかなり力の入った選曲です!

2年ぶり5回目の『粋トリオ』、どうぞ聴きにいらしてください🌼

Facebookイベントページはこちら、登録しなくてもご覧になれると思います。
(主催様による可愛い曲紹介が載ってます☺️)

🌾 出演情報 更新しました

2025年11月9日日曜日

Purcell Project 2025

今年も幸せな時間がやってきて、そして過ぎていきました。
形に残らず過ぎて溶けていくからこそ音楽は美しい、でも寂しさもあり。
そんな、パーセル。
久々のみなとみらい小ホール、客席がコキア畑のようで綺麗でした🍁

次回は、2026年10月23日に開催予定です!

いつもPurcell Projectで隣同士でご一緒するのは、大好きな素晴らしいチェリスト・通奏低音奏者(そしてハルモニウム奏者!)の西澤央子さん。
パーセルの音楽は、本当に一筋縄ではいかない和声進行とそれがもたらす極上の美、独特の個性に溢れていて、通奏低音は毎年試行錯誤の連続。
うまくいくと、この上ない快感だし、失敗も多々…。
いつも央子さんに教わること、助けていただくところがたくさんあり、とても贅沢な音楽体験をさせていただいています。

チェリスト・通奏低音奏者の鈴木秀美さんが、web連載記事の【通奏低音弾きの言葉では…(アルテス電子版)】のなかで、「理想は『バスがしっかり聞こえるチェンバロ』『和声があるようなチェロ』『音量が増減するオルガン』である」と書いていらして、まさにいつまでも目指すところはこれなのだと。

この秀美さんの記事、とても面白く読み応えたっぷりなので、ぜひ皆様ご一読を!

🍎 出演情報 更新しました

2025年10月31日金曜日

プラチナ★シンガーズ

創立10周年記念、7回目の演奏会を、客席から見守る。
14ヶ月という長い練習期間を共に過ごし、本番のこの時この瞬間に全力できらりと輝く、合唱団ならではの魅力を久しぶりに外から感じ取って、いろいろなことに思いを馳せながら、感極まってしまいました。

今日がプラチナ初舞台の方もおられれば、11年皆勤継続中の方ももちろん。
そして今日が、合唱人生で最後の舞台になる方も、おそらくいらっしゃる。
そういう合唱団なんだ、プラチナは。

儚さと愛しさと天上の光がないまぜになったような、グノーの美しい「レクイエム」。
人は土に生かされている、日本語の力強さと優しさが染み入る、佐藤眞「土の歌」。
ピアノ伴奏の日々から羽ばたいてくださった、皆さんの歌声、とても良かった。

第1回演奏会でも取り上げた「土の歌」、あの時もそして今回も、大木惇夫による歌詞に心が震え続けました。
練習中に何度、静かに涙したことか。
いま思うとそれは、言葉の力であり、プラチナの皆さんの歌声の力であったんだなと。


来年1月の新シーズン開始に向けて、新しいお仲間の募集も始まっています。
13ヶ月かけて取り組むのは、フォーレ「レクイエム」と、木下牧子「光はここに」。
2027年2月3日の第8回演奏会の日に、65歳以上の方が対象です。
 ↓
プラチナ★シンガーズ 参加者募集ページ

私もまた最初から最後までご一緒します!
このままプラチナが続いていくと、少なくともあと20数年は(指導者・事務局含めても)私が最年少であり続けるわけですが…皆さんに倣って情熱と重心をたしかに持って音楽をしていきたいなと思います。

 地の上に花咲く限り よろこんで日ごと営み かなしみも耐えて生きよう 

2025年10月27日月曜日

ひとり琴 十一弦 〜琴線〜

今年もおかげさまで、無事終演しました。
雨の中お越しくださった、会場いっぱいのお客様、そして応援してくださったたくさんの方々、本当にありがとうございました❣️

風のように川のように音が流れ続けるトッカータと、アイデアの妙を味わえる変奏曲のペアリング、お楽しみいただけたでしょうか。

たくさんの作曲家が登場し、それぞれの才能と感性が豊かに次々と開花し続け(しかも全て大輪の花ばかり)、私はすっかり栄養分を吸い取られました…自分で計画しておきながら。

加屋野木山さん製作のチェンバロ「五郎君」、昨年の《ひとり琴》でデビューしてからの1年間、いろんな場所でいろんな方に弾いてもらい成長して、とても良く鳴り、たくさん助けてくれました。
本番前に何度もこの楽器で練習させていただき、少しずつ仲良くなって、当日はしっかり相棒になってくれたと思います。

そして、いつも広いお心で自由に会場を使わせてくださる、Gallery鶉のオーナー様にも、心からの感謝を。
他所では得難いあの空間の雰囲気が、《ひとり琴》を続けていく上で大きな支えと喜びになっています。
昨日は演奏中に、外の鳥の声が聴こえてきて幸せでした🌼

来年は何を弾こうか。
11月初旬の開催を目標に、これからまたゆっくりと、練っていきます😌

🍁 出演情報 更新しました

2025年10月15日水曜日

急に寒い…

年を追うごとに、曲のテンポ設定が少しずつ遅くなっているような…何年も前に弾いた時の、時間のメモを見てびっくりしたり。
チェンバロの個体差やタッチの状態を敏感に感じ取ろうとすることはいつもすごく大切で、その楽器の最高の音を引き出したいと思いながら弾いていると、結局は8フィート1本で弾くのが一番心地良く、全部それでいいんじゃないかと思ってきてしまう…とはいえ、聴く人にとって楽しめる変化をつけるためにストップ計画をいろいろ練ったり。
そんな昨今。

先日アイゼナハ音楽院の秋の発表会が無事終わりまして、チェンバロの皆さん、そしてアンサンブルでご一緒した皆さん、本当に頑張ってくださいました。
きっとそれぞれに緊張や興奮もしつつ楽しんでくださったはず。
次回がもう待ち遠しい!

最後の講師演奏という緊張感のあるコーナーでは、軽井沢に引き続きマルシャンを。
もはやちょっとしたマイブーム。
いつかまた、じっくりね。

《ひとり琴》2週間前を過ぎ、いよいよ本番楽器をお借りしての練習を開始!
楽器にヒントをもらうことはとても多くて、一気に練習の密度が濃くなり、焦点が合い始めます。
しばらく弾いてちょっと飽きると、美しい木や装飾を観察し出して、またあっという間に時間が…。

13時開演:完売 ありがとうございます!
16時開演:残席わずか どうぞお早めの御予約を!


これが終わると来月にはまた楽しみな本番が立て続けにあり、その中のひとつが(六花亭オタク念願の)真駒内六花亭ホールでのコンサート🌺
11月に入ったら、六花亭愛に溢れた熱い長文と共に宣伝を、と思っていたら、なんと公演1ヶ月以上前にも関わらずチケットが完売したとのこと…札幌の音楽ファンが六花亭へ寄せる信頼の証ですね、素晴らしい。

🍁 出演情報 更新しました