2025年8月10日日曜日

20、80、100、40…

信じがたい気温が連日の現実になってしまった今夏。
なんとか耐えていた身体がついに音を上げたところで、やっと酷暑も下降線に入って、少し情けをかけてもらえた感じでありがたい…体力を取り戻さねば。
残暑御見舞申し上げます🎐

2018年まで30年以上にわたり刊行されてきた「アントレ」という有益な古楽情報誌がありました。
専門的な研究報告、興味深いコラムやエッセイ、出版物の紹介などが毎号満載、さらに各地の古楽のコンサート情報がたくさん載っていたのです。
「アントレ」が終わってしまった後、コンサート情報を得られるのはネット上で、ギタルラ社(東京古典楽器センター)のHPや、日本チェンバロ協会のHP(+各楽器等の協会のHP)、他のクラシック音楽情報ページや各演奏家の発信など、少々散らかり気味だったのですが、先日こんなページができました!

🟡 Early Music Japan 日本国内の古楽コンサート情報 🟡

リュート奏者の永田斉子さんがお作りになったこのページ、早速たくさんのコンサート情報が集まり、賑わってきています!
私の《ひとり琴》も載せていただきました♪
情報を載せる人とそれを見る人が増えてこその、情報ページ。
ぜひブックマークして、定期的に覗いてみてください。

🌻 出演情報 更新しました

2025年7月26日土曜日

ひとり琴の御案内

暑中御見舞申し上げます🌻
毎年この盛夏に秋のコンサートのことを考えると、あぁまだずいぶん先のこと…と感じるのですが、ここからが早い💦
開催までちょうどあと3ヶ月となりました、今年の《ひとり琴》の御案内です!

2014年にスタートしたチェンバロソロの演奏会《ひとり琴》、おかげさまで二巡目に入ります。 
(これまでの記録:https://magatamary.jimdofree.com/プロフィール/ひとり琴/
変わらず、そっとささやくひとりごとのように、ひとつひとつの音を慈しみ紡いでいこうと思います。


山縣万里 チェンバロソロコンサート
《 ひとり琴 十一弦 〜琴線〜 》

日時 🔶 2025年10月26日(日)

13:00/16:00開演(各20分前開場)
* 2回公演・同プログラム

会場 🔶 Gallery 鶉 (目白駅・雑司ヶ谷駅から徒歩6分)

全席自由 3,500円/22歳以下 2,500円(主催にて取扱)


シリーズ11回目、十一弦のテーマは「琴線」。
バロック時代を俯瞰し、触れる(= toccare)音楽、鍵盤音楽の大きな宝である曲種「トッカータ」の系譜を、演奏とお話を通して、ご一緒に辿っていきましょう。

🔷 プログラム(予定)

G.フレスコバルディ ◼︎ トッカータ ト調、ルッジェーロの旋律によるパルティータ
J.Jフローベルガー ◼︎ トッカータ イ短調、「マイヤー夫人」の旋律によるパルティータ
J.K.ケルル ◼︎ トッカータ イ短調、パッサカリア ニ短調、カッコウの鳴き声によるカプリッチョ

L.クープラン ◼︎ フローベルガー氏の模倣によるプレリュード、シャコンヌ ト短調
D.ブクステフーデ ◼︎ プレルーディウム ト短調
J.S.バッハ ◼︎ トッカータ ホ短調、ニ長調


コンサートホールが存在しなかったバロック時代、音楽と人々との距離はとても近いものでした。
その雰囲気をぜひ味わっていただきたく、等身大の音楽を、親密なギャラリーで演奏いたします。

秋の陽射しが差し込む昼公演、黄昏が移りゆく夕公演、同じプログラムでも景色が違います。
どうぞお好きな時間、日常の中のささやかな非日常へ、お立ち寄りくださいませ。


📩 チケットお申し込み・お問い合わせ
・主催/勾玉音℃:magatamary@gmail.com(事前予約・当日現金支払)
・オンラインチケット:teket(事前決済・スマホ入場)
山縣万里ホームページ


皆様の御来場をお待ちしております❣️


2025年7月17日木曜日

近況穏やか

蝉が一気に鳴き出して、遠くの空には入道雲が立ち上り、さぁいよいよ、といったところ🎐

こっそり出演情報に載せてありますが、今年の《ひとり琴》は10月26日(日)開催に決まりました!
詳しいプログラムとあわせて、今月末に御案内の予定です。

これだけ夏が長く暑くなってくると、この時期のんびり過ごせるのは身も心も本当にありがたいなと思うばかり…。
秋冬の涼しい?寒い?季節のコンサート準備をしたり考えたり、気の向くままに練習したり、土いじりや縫い物をしたり、本を読んだり素麺を食べたりしています。

そろそろ梨シーズン🥰

2025年6月30日月曜日

ミナヅキミソカ

なんだか今年は紫陽花をゆっくり愛でる気持ちになれないまま6月が終わってしまうなぁ…まだたくさん咲いてるけど、この空梅雨、どうにも暑すぎて💧
この高い気温と湿度の中でじめじめと過ごしている日々でも、いざオルガンのパイプに息を吹き込むと、滞っている気が一気に流れ出して元気が出るのだ、と実感したこの10日間でした。

 * * *

昨年に引き続き、スプラ・アンサンブルの皆様と共に。
今回特に興味深かったのは、メンデルスゾーン10代の作品「テ・デウム」。

19世紀の音楽なのに、8人の独唱+8声の合唱+通奏低音(!)という、これぞまさにバロック大好きメンデルスゾーンという編成で、ふとバッハを想起させるような瞬間も多々あれば、メンデルスゾーン節とも言える美しいメロディーライン、輝かしい和声感や進行も満載で、とても良い曲だった🌟

この方の指揮で弾いていると毎回、ああ音楽楽しいなぁ!と思う、もう20年以上前からお世話になっている先輩、長岡聡季さんと、またご一緒できて幸せでした。



* * *
6年ぶりに伺った、東京スコラ・カントールム
実は全然弾き慣れていない16世紀イタリアの宗教声楽曲ということで、歴史を重ねておられるスコラの皆様の中で私ひとり、ちょっと非日常の緊張感をまといながらも、豊島教会の素晴らしい響きに抱かれて贅沢な時間を過ごさせていただきました✨

教会での日中のコンサートで時々出会えるのは、陽光を通したステンドグラスの色が会場の中をゆっくりとすべっていく、美しい光景。
時には演奏者の譜面に、時には客席の方々のお顔に、柔らかな色が映って動いていくのを眺める喜び。

終演後、お世話になりっぱなし、大信頼の青木洋也さんと、愛すべきソプラノ小林恵さんと共に。


🍒 出演情報 更新しました

2025年6月18日水曜日

六月の雪

梅雨の湿気と猛暑から逃れるべく、2年半ぶりに札幌へ行ってきました。
11月に弾く予定の楽器の試奏、という名目で、のんびり行きたいところに行き、食べたいものを食べる旅🐾


着いた日から朝昼晩とふわふわ、白い綿のようなものが風に乗っていっぱい飛んでいる…なんだろう鳥の毛?
かなりの量が飛んでいて、ちょっと不思議な光景なのに、街の人たちは全然気にしてないし、一体なんなんだ?
調べたらそれはなんと、ポプラの綿毛。

関東では馴染みのないポプラという木、花が咲き実が熟して割れ、綿毛を付けた種が舞うんだそうです。
なんてメルヘン…✨

道庁の前庭へ散歩に行ったら、新緑輝く木々の下は、雪のように積もった一面の綿毛。
まだ小さな鴨の子たちはエサを探しながら、くちばしに綿毛をつけて走り回っているし、池には蓮の花が大きく咲いて美しく、なんだか別世界に入り込んだような、夢のようなひとときでした。


円山の森で聴こえてきたのは、馴染みのない音。
木々の奥から高く透き通った何かの鳴き声が…鳥?いやもしかして蝉?
あまりに綺麗な音に感動して、調べてみたら、エゾハルゼミ!
これもまた、初めての出会い。

余市で琥珀色の贅沢を楽しんだり、エスコンに野球観戦に行って青と白の牛を1匹連れ帰ったり、相変わらずの六花亭巡りをしたり。
良い旅でした。


白いふわふわの謎が解けた日、素敵な気持ちに浸りながら、まさにこういうタイトルの小説があったような…と札幌駅前の本屋で探して見つけた、乃南アサ『六月の雪』を、今とても興味深く読んでいるところ。
これも、良い出会いの本となりそう。

2025年6月11日水曜日

梔子

ご近所の満開サボちゃん
もう会えない人との、大切な記憶を宿した花や木が、いくつかあります。
この季節は、くちなし。
夜道に甘い香りと出会うと、ふわっと心の奥底から想い出が蘇る。
以前持っていた鉢植えはベランダサラダバーで完食されてしまって、あきらめてお別れしたけど、またいつか育てたいな…。

明日から久々に北の大地へ!

🌿 出演情報 更新しました

2025年5月30日金曜日

皐月の旅

福澤宏さん門下のガンバ発表会が無事終わり、今回もいろいろ弾かせていただけて楽しかったな〜と一息😌
いろいろなガンバ弾きさんたちと知り合い始め、自分でもガンバを弾いてみるようになってから、もうすぐ20年。
おそらく一番、チェンバロ弾きとして共に密に音楽をしてきた時間・人数が多い楽器かなと思います。
ありがとう、ガンバ大好き🧡 また9月、軽井沢にて。


そして❗️ ちょうど1年ぶりの韓国、久しぶりにソウルへ行ってきました!!
今回はわりと新しい、綺麗に整えられたエリアを拠点にしつつ、とにかく歩き回って昔ながらの市場などもたくさん行けたので、新旧入り混じりながら発展を続ける現在進行形のソウルを快適に味わえた気がします🐾

イベントとしては、ソウルの野球&サッカーチームの試合を観に行き、そっか日本で観戦してる時ももしかしたら旅の思い出に来てる遠方の人・外国人がいるのかな、コンサートもそうかも、素敵なことだなぁと思ったり。
そして、敬愛する大好きな俳優さんの、御手の跡(手形)に触れる、という、震える山場も。

← 食べたもの、の一部。

1人ではちょっと勇気の出ない細い路地にどんどん入っていって、時が止まったような古い食堂のドアも臆せず開けられるパートナーのおかげで、様々な料理に出会えて、肉も魚も野菜も全てが美味しかった!
韓国のタン(煮込みスープ)文化の奥深さよ。
毎食のように服に赤い汁やら油やらがはね、失敗と共に完全に覚えた、エプロン=앞치마(アプチマ)。

毎日5分にも満たないアプリ学習ながら、0.1歩ずつくらい韓国語力が上がってるかもね、と思えたのも収穫。
また1年ゆっくり頑張って、来年も行けますように🇰🇷

2025年5月9日金曜日

チェンバロの日!

短時間で3台同時調律!
毎年同じ季節に巡ってくるイベントやコンサートは、その四季折々の風景と記憶が結びついていることが多く、柔らかく晴れた青空と鮮やかな新緑、といえば「チェンバロの日!」なのです🌿

2012年の初回からずっと、松本記念音楽迎賓館という美しい邸宅をお借りしての開催でしたが、今年は浜離宮朝日ホール!

5月5日、12時に開場してから19時過ぎに全てのプログラムを終えるまで、300人以上のお客様をお迎えし、楽器3台が並んだステージで5人のチェンバリストによるコンサート、ロビーには試奏可能な多種多様な8台、楽譜・CD・グッズの販売に加え、ペーパークラフトのチェンバロ作り体験も。
いろいろな楽しみ方が準備されていて、子供から大人まで、きっと皆様に満喫していただけたことと思います🌼

日本チェンバロ協会のすごいところ、それは中核の運営スタッフが皆チェンバリストだということ。
この大きなイベントを企画し、長期間、多岐にわたる細やかな準備をひたすら重ね、当日の会場でお客様をお迎えし、楽器製作家・調律師・ホールスタッフの方々の協力を得てスムーズに無事イベントを締めくくったのは、企画運営のプロではなく、チェンバリストたちなのです。
すごい。本当に。心から尊敬します。

開催前日はホール内の別室でリハと細かな作業があると耳にし、楽器運びとか何かちょっとしたこと手伝えるかなぁ…と顔を出して、そのまま当日も一日中、袖やロビーをうろうろしていました🐾
膨大な準備もほぼ仕上げの段階で、ちゃっかり美味しいとこどりの参加をさせていただいた、にわか裏方。
お気楽な感じで申し訳ないなと思いつつも、とっても楽しい2日間でした!

緑豊かな邸宅から都心のホールに場所が移ったので、景色の記憶から季節がなくなってしまうかなと思いきや、ロビーの大きな窓からは空も木々もよく見え、ふと見下ろした中庭にはちょろちょろっとトカゲ?カナヘビ?が現れたり、ちゃんと素敵だったのです☺️

日本チェンバロ協会のホームページやSNSには、たくさん写真なども載っています。
ぜひご覧いただき、フォローしていただいて、どうぞ次回をお楽しみに!!!

2025年4月29日火曜日

山の紫


甲府の街を会場に毎年行われている、国際古楽コンクール〈山梨〉
学生時代〜卒業後しばらくは、受験者として、そして伴奏者として頻繁に行っていましたが、今年、10年ぶりに伴奏参加。
10年…ひと昔…。

大活躍中の眩しい後輩、数年ぶりにお会いできた大好きな先輩、そして(この方々の献身的なサポートがなければコンクールは実現し得ない)製作家・調律師さんたち。
たくさんのチェンバロ関係者とお話しできて嬉しかったです☺️

コンクールという特殊な場で、まぁいろいろと思うところもあり、看過できないトラブルもあり…。
楽しい記憶の写真は、空き時間に食べた美味しいものたちと、散歩した舞鶴城、そして本選会場の風景。
そうそう、私のホームページの一番上に載せている、チェンバロがずらっと並んでいる写真は、たしか13年前に受けた時の本選風景です。感謝。

甲府へ向かう車窓から見えた、新緑の山々、その中にふわりふわりと咲く藤の花、とても綺麗でした。
良い季節🌿

戻ってきてからは、チェンバロと一緒に演奏してみたいというモダンの歌・楽器の方々が企画された音出し勉強会で、短時間集中でいろいろと弾いたりお話ししたり。
バロック音楽への理解を深めたい、という言葉はなんだか大仰で、最初は単純にチェンバロにちょっと近づいてみたい、で十分嬉しい。
こういう体験の機会がもっと増えていって欲しいな、きっかけ作りって大事だな、と強く感じた一日でした🌼

そういえば、甲府のホテルの枕がすごくぴったりで、毎日の慢性的な首周りの痛みが激減し、びっくり!
学生時代から枕の試行錯誤はあれこれしてきたものの、最近怠って、というか諦めていたなと反省し、甲府での記憶をもとに今一度、高さ・形状を研究中です。
Wホテルありがとう、枕大事。

5月5日「チェンバロの日!2025」チケット発売中


2025年4月24日木曜日

良い春の陽

久々に工房へおじゃま。
いま入院中のクラヴィコード、鍵盤がこんなにちっちゃくて可愛くて🥰
帰宅してからピアノと比べたら、この差。
チェンバロも(タイプ多様ながら)鍵盤は奥行き短め。

いつもチェンバロのレッスンで口を酸っぱくして皆さんに言っている、鍵盤シーソーの話、鍵盤上のどのポイントで弾くとどうなるかという話、これを見たら納得してもらえるんじゃないかなぁと思います。
楽器の構造を理解して、より良い音を無理なく出す方法を考えるの、大事。


先週末は春恒例、アイゼナハ音楽院の発表会でした🌸

チェンバロの生徒さんたちの演奏は客席で、他楽器の生徒さんたちの演奏は通低弾きとして舞台上で。

本当にいつも、発表会は大切な日。
よく弾けた!と喜ぶ人もいれば、失敗しました…と凹む人もいて(私だってコンサートのたびにそれの繰り返し)、長い時間練習してきたものが一瞬で音になって消えていって、その形のない一瞬の連続は記憶となって、でもそれを忘れてまた新たな音楽へ歩みを進めるんだなぁ。
そんなこんなを全部ひっくるめて、大切な日。

会場隣の広い公園で、春が鮮やかでした✨


🌿 出演情報 更新しました